Mad Money 5G ETF を組成してみる

投資戦略

先週、アメリカのヘッジファンドマネージャーであるジム・クレイマーが、Mad Money で「Mad Money 5G ETF」なるものが取り上げられました(というか提案されました)。

Jim Cramer: 5G now has momentum needed to invest in

今回はその「Mad Money 5G ETF」について取り上げてみます。

Mad Money 5G ETF とは

Mad Money 5G ETF とは、簡潔に説明すると以下のようなものです。

  • ジム・クレイマーが MC を務める Mad Money で取り上げた、彼の提案する ETF
  • ETF といっても、上場するわけではなく、ここではあくまで擬似的に銘柄を取り上げてそれで「自己ファンド」を構成しましょうという話
  • 彼の提案する「5G ETF」は、彼が良いと思う 5G 関連銘柄10個から構成される

というわけで、件の Mad Money では、この10個の銘柄が紹介されました。

ちなみに、私はマカベェさんの Youtube チャンネルMakabeeの米国株【ジム・クレイマー応援ch】をサブスクしていて、ここで Mad Money の情報を取得しています。
このチャンネルは、アメリカの CNBC で放送されている「Mad Money」という番組を日本語で解説してくれているのでオススメです。
今回の「Mad Money 5G ETF」についても、詳細は マカベェ さんの Youtube またはブログを参照してみてください。

実際に組成してみましょう

Mad Money 番組内では、あくまで10銘柄取り上げただけで、実際にそれをどのような配分で「自己ファンド」を構成するかまでは言及されていないようでした。
なので、本記事では構成比率等を考察し、(擬似的にですが)実際に組成してみようと思います。

どういう構成比率で組成するか?

ここでは、簡単のために10銘柄をインデックス化し、そのインデックスの構成を使用して 5G ETF を組成しようと思います。

インデックス化の方法は、一般的に以下の方法があると思います。

A. 時価総額加重平均方式(代表的な指数:S&P500、TOPIX)
B. 単純株価平均方式(代表的な指数:ダウ平均、日経平均)
C. 均等方式(代表的な指数:$SPYDで使用されているS&P500高配当指数)

また、「A. 時価総額加重平均」の亜種として、

A'. 修正時価総額加重平均方式(代表的な指数:$VIGで使用されている NASDAQ US Dividend Achievers Select Index)

があります。

それぞれメリット/デメリットはありますが、ここではその詳細についての言及は省略します。

どの方式でインデックス化するか?というのが ETF(というか自己ファンド)組成の上で重要なファクターになるのですが、今回は、以下の通り2方式を採用し、2パターン組成してみることにします。

  1. 修正時価総額加重平均方式(特定の銘柄の最大構成比率は20%以下、最小構成比率を5%以上とする)
  2. 均等方式

この方式を採用することにした理由は以下のとおりです。

  • $AAPL の時価総額が大きすぎる。修正なしの時価総額加重平均方式を採用すると $AAPL のみで 60% 以上の構成比率を有してしまう
  • $INSG の時価総額が小さすぎる。修正なしの時価総額加重平均方式を採用すると $INSG の構成比率が 0.04% 程度となり、ほぼ0になってしまう

要は、修正なしの時価総額加重平均方式だと「ただのアップル連動指数」になってしまうので、それを避けたということです。

組成条件

組成条件は、以下の通りとします。

  • ETF 組成日:2021/1/19
  • インデックス構成に使用する株価:2021/1/19の始値

これは、 Mad Money 5G ETF が提案されたのが 1/15(金) なので、その次の営業日である 1/19(火) が妥当と判断したからです。

ETF を構成する10銘柄の 1/19 の始値をベースにした情報は以下のとおりです。

Ticker 名称 基準株価 発行済株式数 時価総額
TMUS T-Mobile Us Inc $128.69 1241187000 $159,728,355,030
MRVL Marvell Technology Group Ltd. $51.7 670160000 $34,647,272,000
SWKS Skyworks Solutions Inc $154.53 166082000 $25,664,651,460
CCI Crown Castle International Corp $158.87 431298000 $68,520,313,260
QCOM QUALCOMM, Inc. $158.94 1131000000 $179,761,140,000
CRWD Crowdstrike Holdings Inc $224 188280000 $42,174,720,000
AAPL Apple Inc $127.78 16823260000 $2,149,676,162,800
INSG Inseego Corp $14.65 98880000 $1,448,592,000
TSM Taiwan Semiconductor Mfg. Co. Ltd. $130.59 5186076000 $677,249,664,840
FSLY Fastly Inc $90.3 102400000 $9,246,720,000

1. 修正時価総額加重平均方式で 5G ETF を組成してみる!

まずは、特定の銘柄の最大構成比率は20%以下、最小構成比率を4%以上とする、修正時価総額加重平均方式で組成してみます。
これにより、時価総額が膨大な $AAPL および $TSM の構成比率を20%までにキャップすることができ、同様に時価総額の小さな $INSG や $FSLY の構成比率を4%にすることができるので存在感を出すことができます。

構成比率は以下の通りになります。

Ticker 名称 配分 ETFの株価を$100としたときの保持株数 (※)
TMUS T-Mobile Us Inc 13.70% 0.1065株
MRVL Marvell Technology Group Ltd. 5.00% 0.0967株
SWKS Skyworks Solutions Inc 5.00% 0.0324株
CCI Crown Castle International Corp 5.88% 0.0370株
QCOM QUALCOMM, Inc. 15.42% 0.0970株
CRWD Crowdstrike Holdings Inc 5.00% 0.0223株
AAPL Apple Inc 20.00% 0.1565株
INSG Inseego Corp 5.00% 0.3413株
TSM Taiwan Semiconductor Mfg. Co. Ltd. 20.00% 0.1532株
FSLY Fastly Inc 5.00% 0.0554株

※:仮にこの組成したETFの株価を$100とした場合に、そのうちに占める該当銘柄の枚数。例えば、$AAPLなら0.1532株保持していることになる

2. 均等方式で 5G ETF を組成してみる!

次に、全銘柄を金額ベースで均等に保持する均等方式で組成してみます。
これにより、全銘柄が同じ存在感を出すことができます。
しかし、一般的に時価総額が大きい銘柄ほど株価が安定し、時価総額が小さいほど株価のブレを大きくなると言われているので、「1. 修正時価総額加重平均方式」よりかなりボラが高くなることが予想されます。

構成比率は以下の通りになります。

Ticker 名称 配分 ETFの株価を$100としたときの保持株数 (※)
TMUS T-Mobile Us Inc 10.00% 0.0777株
MRVL Marvell Technology Group Ltd. 10.00% 0.1934株
SWKS Skyworks Solutions Inc 10.00% 0.0647株
CCI Crown Castle International Corp 10.00% 0.0629株
QCOM QUALCOMM, Inc. 10.00% 0.0629株
CRWD Crowdstrike Holdings Inc 10.00% 0.0446株
AAPL Apple Inc 10.00% 0.0783株
INSG Inseego Corp 10.00% 0.6826株
TSM Taiwan Semiconductor Mfg. Co. Ltd. 10.00% 0.0766株
FSLY Fastly Inc 10.00% 0.1107株

まとめ

以上で、以下の2方式の「Mad Money 5G ETF」を組成してみました。

  1. 修正時価総額加重平均方式(特定の銘柄の最大構成比率は20%以下、最小構成比率を4%以上とする)
  2. 均等方式

それぞれ、組成時基準株価を $100 とし、今後どのように株価が変化するかをウォッチしてみようと思います。

とりあえず、以下のインデックスETFと比較してみると面白いかなと思っています。

  • SPY (S&P500連動ETF)
  • QQQ (NADAQ100連動ETF)
  • XLC (S&P500通信サービスセクター連動ETF)

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